読了 テンペスト:池上永一

亡くなった祖母のお盆の為に東京から栃木へ行っている間、何年振りかの読書をしましたので、その感想文を書きましょう。

子供の頃は、かなりの読書家だった私。しかし、社会人になってから活字を読むのがイヤになっちゃって。実用書は今も読みますが、小説を読むのは非常に久し振りでした。

テンペスト 全4巻:池上永一 角川文庫

現在、仲間由紀恵 主演でBS/NHKにて放送中、琉球が舞台の時代劇ドラマの原作です。
大河ドラマ「江」の後に放送していて、男装の仲間由紀恵さんがあまりにも凛々しくステキで、「江」よりもずっと面白くていつも見ているのですが、ご飯時でバタバタしてゆっくり見られないので、原作を読むことにしちゃいました。

時代小説なのですが、カタカナ語も含めた現代の文章で書いてあるので、非常に読みやすく面白くて、あっという間に読破してしまいました! ただでさえ時代劇、しかも琉球なんて判りずらいなーということも、「これは現在でいう○○に当たる」と説明してあるので、ドラマの映像との相乗効果もあって、読書久し振りの私でも鮮やかに情景を思い浮かべながら読むことができました。

登場人物の寧温と朝薫。ドラマでは30代の仲間由紀恵と塚本高史が凛々しく且つ重々しく演じているのですが、原作では、13歳と15歳で琉球王朝の高官に就きます。だから時折、年相応の幼さが感じられる言動があったりして、「あぁまだ二人は子供だったんだよなぁ~」と、寧温と朝薫が愛おしく思えました。

寧温を想う男に、同僚の朝薫と薩摩藩の雅博がいて、寧温は雅博に心惹かれるのだけれど、私は読んでいてそこが納得いかなくて。朝薫とは苦楽を共にして強い絆が生まれるのだけど、どうして雅博の方を好きになるのだろうと。。。 まぁ、容姿が雅博の方がカッコ良くて寧温の好みだったのかしらね。寧温は、雅博とより朝薫との関係の方が丁寧にステキに物語に書かれていたと感じました。
しかしまぁ、朝薫と雅博は寧温のことを好きなのにもかかわらず、どっちも寧温のことを一方的に幻滅して見捨てたりして。。。 寧温にとっては2人共パーフェクトなスーパーマンでないところが、ホロ苦でまた良し、でした。

2巻:夏雲は、徐丁垓という悪者が出てきます。こいつの描写がちょっとねぇ~でした。
人格が最低最悪なのは物語上分かるのだけど、身体的構造が人類として有り得なくなっちゃってて。もう地球外生命体レベルなの。なんでここにSFを入れる?みたいな。徐丁垓の設定のせいで、物語がアホっぽくなっちゃったなーと。ドラマでは、GACKTが危険かつ美しく演じてくれて、原作より昇華してくれているワン。あー良かった。

あと、寧温に王朝を追われた後の、真牛の生き方が不器用すぎて可哀想で涙が出てしまいました。琉球王朝を大事に思うのは寧温と同じだったのに、間違った方向に進んじゃって。だけど最後は、寧温は真牛を王族/聞得大君として敬意を払い、真牛は宿敵であった寧温の息子を(幻の)琉球国王として敬意を払い、で救われて良かったです。この場面が一番感動しました。

女が宦官になりすまし王朝へ入り、後には側室として、王宮の中で男と女を早変わりという漫画チックな夢物語なのだけれど、寧温と雅博が想い人として一緒になるのは、出会って40年も経ってからという安易にくっつけなかったあたりは、物語を軽々しくし過ぎず、寧温の琉球に捧げた強い信念が伝わってきて、良かったです。

さて、NHKのドラマの方は、これから仲間由紀恵が男装の寧温から、美女 真鶴へと変身します。
はぁ~、綺麗だろうなぁ~。小説も面白かったけれど、映像で見るのもまた楽しみ!

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